• テキストサイズ

【戦国BASARA】*月夜の盃*【R18】

第3章 二人の主君




「さあ、そろそろ宴も終わりにしましょう。・・・お別れです、独眼竜」


─明智がニヤリと笑った瞬間、突然目の前が真っ暗になった。

本能寺の扉が閉められたのである。


「!?」


そして次の瞬間、二人だけとなった本能寺に火が放たれた。


「・・・チッ、寺ごと俺たちを丸焼きにするつもりかよっ・・」

「・・・政宗殿っ・・・」


あっという間に、あたりは炎に包まれた。

傷口の熱でただでさえ気を失ってしまいそうなところへ、炎の熱気に触れるとさらに体温が上がっていく。

汗が止まらない。

このままじゃ意識も途切れてしまう。


「おい紫乃! 目ぇ覚ましやがれ! こんなとこで寝てんじゃねーぞ!」

「・・あ、ああっ・・・」


私は力を振り絞り、調合して持っていた毒消しを口に含んだ。

毒が消せることに政宗殿は安堵した表情を見せたが、この毒消しは、体内に染み渡り効果が出るまでに時間がかかる。

私が動けるようになるのを待っていたら、この寺は燃え尽きてしまうだろう。

もうだめだ。

これ以上は、私は、政宗殿の足でまといだ。


「・・・政宗殿」

「おう、立てるか。丸焼きになっちまう前にここを出るぜ」

「・・・置いていけ」

「・・・あぁ?」


/ 147ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp