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【戦国BASARA】*月夜の盃*【R18】

第3章 二人の主君




「・・・仕方ないですねぇ、蘭丸。加勢致しましょうか。」

「おい明智! テメェの相手はこの俺だ!」


明智は政宗殿に任せておけば大丈夫だ。

あんな変態野郎より、政宗殿の方が何倍も強い。

さっさとこの餓鬼の息の根を止めてしまおう。


「死ね! 森蘭丸!」


かすが殿の分まで、謙信殿の仇だ。

私はそう思って、奴めがけて最後の刃を放った。

──そのとき。


「わああ! ごめんなさい! お姉さん! もう蘭丸、こんなことしないっ!」


蘭丸は泣きじゃくり、弓から手を放して、降参の姿勢をとった。


「・・っ・・」


手が勝手に動いていた。

真っ直ぐ奴の首をはねようとしていた飛び刀を、私は軌道を変えて奴から逸らした。

この子供は降参している。

・・・斬れない。


「引っ掛かった引っ掛かったぁ♪」

「!?」


しかしその瞬間、奴は無防備な私の懐をめがけて、矢を放ってきたのだった。


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