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【戦国BASARA】*月夜の盃*【R18】

第3章 二人の主君





まだ本能寺の内にいる私たちは、月を背に立ち淀む明智光秀に斬りかかんと構えをとった。

政宗殿が奴めがけて走り出したのと同時に、私も同じように明智の懐へ間合いを詰める。

・・・奴は不気味に笑うだけ。


「!?」


すると、本能寺の扉にさしかかった瞬間。

上から私たちめがけ、何本もの矢が飛んできた。


「引っ掛かったなぁ♪」


あの子供っ・・・

織田一味の森蘭丸だ。


「邪魔すんじゃねぇ糞ガキッ!」


政宗殿は自分に降りかかる全ての矢を真っ二つに斬り捨てた。

私もどうにか避けきる。


「政宗殿。あの餓鬼、濃姫とともに謙信殿を討ったならず者・森蘭丸だ。子供だからといって手加減する必要はない。私が殺る」

「頼んだぜ」


子供に狙いを定めて、距離をとったまま容赦なく飛び刀で囲いこむ。

「わっ、わあっ、ちょっとっ!」

矢を構える暇などないくらいに責めた。

足下、顔、心臓、首。

次々にギリギリをかすめていく刃に、森蘭丸は涙目になっていく。


「わっ、ちょっ、待ってお姉さん!!」


私は冷徹に、奴の言葉には耳を貸さず、刀を振り続けた。


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