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【戦国BASARA】*月夜の盃*【R18】

第3章 二人の主君




政宗殿が最後の兵を倒すために刀を振るうと、衝撃でその重い扉はすんなりと開いた。


「織田信長!!もう逃げ場はねえぜ!!」



政宗殿は雄叫びとともに、その扉の中へと押し入った。


───しかし、その雄叫びは、静かな本殿に響き渡るだけだった。


このもぬけの殻となった本能寺には、まるで人の気配がない。



「政宗殿、本能寺はやはり何かおかしい。ここは引き返して伊達や武田と合流しよう。嫌な予感がするのだ。」

「・・・仕方ねぇな。チッ、魔王の野郎・・・この俺をおちょくりやがって・・・。こんな寺に誘き出してなに考えてやがるんだ。」



本能寺を出る、そう私たちの意見は合致し、本殿から出ようとした。


─そのときだった。



「まんまとひっかかりましたね。独眼竜」

「「!?」」


本殿の外から聞こえたその声は、おぞましく卑しい、明智光秀のものだった。

気味の悪いほどの佇まい。

政宗殿はその姿を見た瞬間、怒りの表情を露にした。
そしてそれは私も同じ。

こやつは、卑怯な手でお館様を討とうした、許せぬ輩。


「明智光秀っ・・・よくもノコノコと俺の前に現れやがったなっ・・・!」


刀を構えた。

しかし明智光秀は月を背に笑っている。

怪しく光る今宵の月が、奴の背負う大鎌の刃に反射した。


「さあ、宴と参りましょう。・・・死んでください、この本能寺とともに」



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