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【戦国BASARA】*月夜の盃*【R18】

第3章 二人の主君




──────



すっかり夜が更けた。


森を抜けた先に、潜むようにある敷地。
たどり着いたそこには厳かな構えの寺が佇んでいた。

これが本能寺・・・。

ピリピリと張りつめた、痛いほどの空気。

その中を余裕ながらも険しい表情で、政宗殿は進んできた。



「政宗殿。先に行かれよ」

「なんだ?ビビッちまったのか?」

「まさか!・・・片倉殿がいないのだから、私が背を守る」

「・・・OK,頼んだぜ」


政宗殿は刀を抜く。

私もその背中を守らんと、飛び刀を抜いて構え、彼が動き出すのを待った。

・・・しかし、嫌な予感がするのだ。

静かすぎる。

本当にここに、あの凶悪な第六天魔王・織田信長がいるのだろうか。


「行くぜ紫乃! しっかりついてきな!」

「無論!」


政宗殿は一気に駆け出した。

敷地内への門をくぐった瞬間、四方から織田の兵たちが斬りかかってきた。

政宗殿は次々に一本の爪で兵をなぎ倒し、後ろから彼の背を狙う兵は私が斬り払っていく。

静かなこの敷地にも、どこに潜んでいたのか次から次へと兵が止まずに寄ってくる。


しかし、一向に織田信長は姿を見せない。


「どこにいやがる! 出てきやがれ!!」


政宗殿に倒されていく兵も、まるで彼を倒さんとする意志が感じられない。

まるで己を捨て駒とでも自負しているような・・・。


「政宗殿!!あの寺だ!」


固く扉が閉じられた本殿が、兵をなぎ倒してきた私たちの目の前に現れた。

織田信長は、ここに・・・?


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