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【戦国BASARA】*月夜の盃*【R18】

第3章 二人の主君




なんなんだっ・・・

なんでいきなりこうなった!?

何もきっかけはなかったし、二人きりとはいえ惚れられるような態度もとっていない。

こんなことを言われても、私は困るだけだっ・・・


「まあいい、行くぜ。俺の馬に乗りな」

「いい! 自分の足で歩ける!」

「ハッ、素直じゃねーな。ま、じゃじゃ馬は馬にゃ乗らねーか」


会話の調子が徐々にいつもの感じに戻りつつあることに安堵した。

あの甘ったるい空気のまま本能寺になど行けぬ。

気を引き締めて行かなければ。

色だの恋だの、そんなものを戦場に持ち込んだら、きっと己の足枷になってしまう。

政宗殿も血迷ったことは忘れ、魔王を倒すことのみに集中すれば良い。


─『アンタはどうなんだ?・・・紫乃』─


先程の、あんなのは、忘れる。

聞かなかったことにする。


私は考えることをやめた。

自分の心に、蓋をするように。



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