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【戦国BASARA】*月夜の盃*【R18】

第3章 二人の主君




「馬鹿を言うな! 私は幸村様を主君としてずっと共に鍛練してきたのだ。色恋だの、そんな感情を持たれるようなことは身に覚えがない。そのような薄っぺらい関係ではないと言っただろう。」

「・・・薄っぺらい、ねぇ・・・」


すると、政宗殿は、私の手をとった。


─ドクン─


振り払おうとしても、振り払えない。


「・・・な、なんだっ・・・」

「じゃあ俺のことも、薄っぺらいって言いてぇのか?」



ど、どういう意味だ?




・・・いや、意味なら分かる・・・


・・・私はそこまで馬鹿なわけではない。

この男の熱い手、この真剣な眼差し。

質問の意図。

"薄っぺらい"の意味。


・・・・分からぬわけではない。

政宗殿の言いたいことは・・・つまりその・・・信じがたいが、なんとなく、察しがついている。

その上で、私に答えを求めていることも分かっている。


しかしそれは、私には、まるで心の準備ができていなかったこと。

考えたこともなかったことだ。

だって、今から戦に行こうという二人には、あまりに不釣り合いな感情だから。


─ドクン─

─ドクン─


嘘だ・・・こんなっ・・・


「アンタはどうなんだ。・・・紫乃」


答えられるわけない。

この熱い瞳に。


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