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【戦国BASARA】*月夜の盃*【R18】

第1章  奥州に忍ぶ






「早朝の訪問失礼致す!昨日の無礼、心よりお詫び申し上げる!」

「ハッ、懲りねえなアンタ」


一夜明け、私はまた城へやってきた。

昨日と同じように門番に案内してもらい、同じく広間へ通されたところ。

鎧姿の独眼竜が正面にあぐらをかいて座っており、その側に片倉殿も腰をおろしている。

覚悟を決めて、そこへ割って入るようにして突っ込んでいった。


「そして片倉殿、昨夜はおかげさまでよく眠ることができた。礼を言わせていただく」


私の礼にバツが悪そうにするだけで返事をしない片倉殿に、独眼竜は怪訝な目を向ける。


「おい小十郎、なんの話だ」

「・・・昨夜城の近くでこの者を見かけ、寝床の手配を致しました。・・・敵の忍にうろつかれては、村の民が心配でございますゆえ・・・」

「よく言うぜ小十郎」


ふん。

独眼竜とは違って片倉殿はお優しいのだ。

普段は独眼竜に敵が寄り付かぬよう牽制するため、わざと厳しく振舞っているのだろう。

私も長く、いずれ主君となられる幸村様のお側にいるからわかる。

側に付き従える者の在るべき姿というのが、どういうものなのか。

片倉殿が信頼をおき、そして幸村様が好敵手とお認めになっている、この伊達政宗という男・・・。

一体どんな人なのだろう。


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