第8章 ニンギョ×ト×ジョテイ
まるで何かを探してる様にキョロキョロと辺りを見回すチェリーにフェイタンが声をかける。
『マーミィ姉の匂い、する』
一同「!」
聞き覚えのある名前。以前からチェリーがたまに口にする名前。
『ここじゃない…もっと………深い所』
「地下って事かしら?」
「一通り調べたが地下への扉とか無かったぞ!?」
「床、壊すね」
「待って待って、乱暴だなぁ♣︎僕に任せてよ」
そう言うと携帯を取り出して何処かに電話をかける。
「やあ♡まだ近くに居るかい?…あぁそうか♤なら三階にあるセキュリティルームに行って秘密のスイッチか何か無いか調べてくれるかな?」
一同「秘密のスイッチ(スイチ)?」
「調べた先々の部屋に仕掛けやカラクリが仕込んであっただろう?多分地下への道があるとしたらそうゆう事だよ♣︎」
あぁ…と納得してしまうのも事実。確かに色んな部屋に仕掛けがあった。急に床が抜けたり書斎の引き出しを引いたら玩具の機関車がお茶と茶菓子を運んで来たり。小さなからくり屋敷みたいでチェリーは少し楽しんでた様子だったが。
-ヴヴヴ-
「もしもし?もう辿り着いたの?速いなぁ♤え?それらしきモノは見当たらない?おかしいなぁ…」
シラケた視線を皆が向ける中、うーんと首を捻るヒソカの前をチェリーが通り過ぎてロビー中央にある小さな噴水に顔を覗きこませる。
「え?噴水を止めるレバー?………あぁそうか♣︎モニタールームと隣接してて筒抜けだから僕達の行動も筒抜けなんだね♤じゃあ押すか引くかしてみてくれるかい?」
-しゅぅうぅ-
『………あれ?お水止まった…無くなった!』
「あ、ほんと………!ちょっと皆こっちきて」
「………ビンゴみたいだ♤感謝するよ」
水の引いた噴水から現れたのは狭い螺旋状の階段。何処まで続いてるのか、その先は暗くて見えない。
※※※
暗くて長く続く螺旋階段は降りきった後には方向感覚を失わせる。薄暗くて長く続く狭い廊下の先には最新のセキュリティが万全な扉。
「これは…破壊すべきだな」
ドゴンと大きな音を立ててフィンクスが扉を破壊する。その扉の先の部屋は幻想的な光のアートを施された神秘的な部屋。
「………、」
一同「………」