第7章 ニンギョ×ト×トウゾク
「例の男、ヤバそうな奴なんだろ?賞金首とかになってないのかよ?」
フィンクスの言葉にシャルナークは少し考え、カタカタとリズム良くキーボードを弾く。
「うーん、それらしき人はやっぱり居ないかなー」
頬杖をついてマウスでスクロールしていく。
「ん?何だこれ」
最下部にWARNINGと表示されている魚の画像をクリックするとクッション画面が出て来る。そのクッション画面には"人魚捕獲作戦"とだけ表記されていて閲覧数は数千件。
「人魚捕獲作戦?」
その先のページへ行こうと文字をクリックするが。
「んげ!?閲覧料一億!?団長どうする?」
「構わない」
「じゃあ一億振り込み、と」
数分後、画面が切り替わって三人は騒然とする。画面いっぱいの写真は紛れも無く今現在、自分達が護衛してる幼女で。その写真の下に捕獲者には10億、情報提供者には一億の謝礼金が支払われると書いてあった。閲覧数は先程のクッション画面の100分の1である数十件。
「こんな大金払ってまで情報を得ようとする物好きは意外と居るんだな…」
「これは人魚捕獲作戦じゃなかったのか?何故チェリーが懸賞金かけられてる?」
「それを考えるのは後だよ…非常にマズい」
スレッド式になってる画面に目を通しながらシャルナークが声を震わせる。一番下の最新情報の投稿は20分前。投稿されてるのは写真のみ。手を引かれて楽しそうに笑うチェリーの姿。
「背景からして恐らく水族館に入る様子だ。もうチェリーの近くには刺客がいる。連れて行ってるのは戦闘に不向きなパクノダとコルトピ…チェリーが危ない」
※※※
『うわぁ…お魚さんがいっぱい!』
ペタァと硝子に張り付くチェリーに魚達が集まってくる。チェリーの動きに合わせて泳ぐ熱帯魚達はまるで何かを求めてる様。
「チェリー、少し休憩しましょう。向こうに上から魚を見れるテラスがあるんですって」
『かふぇれ!飲みたい』
「カフェオレだよ」
『かふぇーれ!』
きゃっきゃっと騒ぐチェリーの手をコルトピが引く様子を兄弟みたいだなぁとパクノダは小さく笑う。
-ヴヴヴ-
「あら…着信?シャルナークから?どうしたのかしら?」
『パクー!』