第5章 ニンギョ×ノ×キオク
絹糸の様な藤色の綺麗な髪の毛。人間離れした深紅の瞳。口元にある小さなホクロ。本当にチェリーを子供化したままだった。ただ少し違うのは自分達の知ってるチェリーは素顔を見せてくれない恥ずかしがり屋で少しツンケンしてて、こんなに人懐っこくは無い。
「君、チェリーなんだよねぇ♣︎?」
『変なヒソカ!チェリーはチェリーだよ?』
「………♤」
小首を傾げて大きな目でじっと見つめる。
一同(可愛いかよ………)
「パク、話聞きながら記憶見てみたら?これまでの状況、俺達の名前を知ってる事からほぼチェリーには間違いないだろうけど…」
「そうね…チェリー」
『?』
「貴女の事、教えて」
そっと抱き抱えて優しく頭を撫でる。
※※※
「小さくなったのは何故?それとも本当は子供だったのかしら?」
『違う!これ本当じゃない』
一同「本当じゃない?」
『お薬…飲んじゃった』
眉を下げ、しゅんと項垂れる。
「真珠…それは薬なのね。それを飲んだら小さくなったみたい」
「何でそんな薬飲んだんだよ」
『分かん…ない………人がいっぱい来て…怖くて…逃げなきゃって………傘、届けなきゃって…』
ゆらゆら揺れる瞳は水気を帯びて一粒、ポロリと頬を伝う。
「ちょっと止めなよフィンクス」
「わ、悪ぃ…」
「記憶が途切れ途切れだわ…読み取りにくい…」
一息吐いて集中力を高める。
「敵襲…」
一同「!?」
「30人…くらいかしら?全員が能力者、強いわ」
「襲われたって事か!?」
「くっ………駄目…これ以上は読めない」
がく、と膝から崩れ落ちる。
『パク?大丈夫?』
「えぇ、平気よ………それ以前の記憶も読めない。恐らく記憶を失ってるわ」
「一度チェリーの家に行ってみよう。何か分かるかも知れない」
クロロの言葉に全員が頷いた。
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