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泡沫人魚【狩人】

第3章 ニンギョ×ノ×ココロ


少し昔のある日の事。
陸に強い憧れを抱いてた1匹の人魚は陸に上がってしまった。その人魚は結局深海には戻って来ず、陸はいい所だと人魚達の間で御伽の国になった。だけど次に陸に上がった人魚は人間に酷い目に合い危険な場所だとも認知された。それでも陸に上がりたがる人魚は沢山居て、やがて人魚達の間で階級と掟が作られた。
その階級と掟を満たさぬ者は陸に上がってはならぬと。










※※※





-カツカツ-



ヒールの音を響かせて瓦礫だらけのアジトに戻って来たのは長身でグラマラスな女性。そのポーカーフェイスからは感情の起伏は読み取れない。



「パク!何があったの?男達の説明がアホ過ぎて何も分からないんだけど」

「「「なっ/えっ!?/チ…」」」



順番に三人を見て浅く溜息を吐いて事情を説明する。



「んーと?つまり念能力で壊れなかったケースが念能力無しで触れたら壊れた、と?」

「んでもって宝石が砕けてー中身が本物の眼球でー…」

「砕けた宝石の欠片がチェリーを攻撃して?」

「その宝石になってた眼球の持主をチェリーは知ってて取り乱した…と?」



一つ一つ皆で状況を確認してると眼鏡をかけた女性…シズクが宙を見ながら首を傾げる。



「それってちょっと出来すぎかも」

一同「?」

「明らかに狙われてない?チェリーさん」

一同「!!!」

「パク、チェリーは?」

「あの後すぐ目を覚まして…仕事もあるし大丈夫だからって追い返されたわ」

「アタシ行くよ。心配だ」



とマチがくるりと踵を返すと奇面なメイクを施した男、ヒソカが腕を掴んで制止する。



「離して」

「まぁ落ち着きなよ♣︎流れ的にもし本当に狙われてるのだとしたら用意周到過ぎる…一人で行くのは得策じゃないと思うな♣︎」

「チェリーには世話になってる出来る限りの事はしよう」





※※※





『あっははははは!そんな事で!?やだなぁ…皆心配し過ぎだよ』



とケラケラと笑う目の前の妖しげな女性。何処がどう妖しいのかと言うと仕事着のツナギは腰の位置で袖を括り、サラシを巻いた胸元。頭には大きめのヘルメットを被り顔は見えない。そして手荷物は灼熱で赤くなったトンカチ。



「ねぇヒソカ。素顔が見れるかもって言うから手伝いに来たんだけど?」

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