《モブサイ》サギ師のあなたに脱がされて (霊幻/R18)
第6章 温泉旅館でときめいて
「れ、霊幻さんっ! ダメです!」
ゆめが俺の手を掴む。
「なんで?」
「そ、その……明るいですし……」
彼女は目を伏せた。
「なるほど」
俺は手を伸ばすと、テーブルの上のリモコンを取った。天井の明かりを消し、代わりに部屋の隅にある和紙張りのフロアライトをつける。
「これならそこまで明るくないだろ?」
薄暗い部屋に仄かな光。布団とゆめの姿がぼんやりと浮かび上がった。非日常的な光景に興奮も高まる。明るくするよりも暗いほうがかえって雰囲気が出るってもんだ。
「で、でも……ここでしちゃうと隣の部屋に聞こえませんか……?」
ゆめが不安そうに見上げてきた。
「あ〜それは大丈夫だ。おまえが大きな声を出さなきゃいい」
「そ、そんなの無理ですっ」
無理っておまえ、どんだけ大きな声を出す気なんだよ。
俺は苦笑すると、ゆめの頬に軽く口づけた。
「確認だけどさ……ゆめは俺としたくないの?」
「っ……したい……けど……いつもと違うからなんか緊張しちゃって……」
お互い様だ。俺だって風呂上がりの浴衣姿のゆめを抱くのは緊張する。しかも旅館という慣れていない場所だしな。
「場所は違っても相手はこの俺だぞ? 安心しろよ。大丈夫だ」
「霊幻さん……」
ゆめの襟をずらし、露わになった鎖骨に唇を落とす。なぞるように優しく滑らせると、彼女はビクビクと震えながら、顎を天井に向けた。
「っ……」
襟をさらに広げ、剥き出しになった肩を甘噛みする。ちらりと胸元を覗くと、ツンと尖った蕾が見えた。
「下に何も着ていないんだな……」
「っ……霊幻さんは着ているんですか?」
「着てねぇけど、男と女じゃ違うだろ。部屋に戻るまでに誰かに会ったらどうするつもりだったんだよ。こんな薄い浴衣じゃ、くっきり形が見えちまうぞ」
手を入れてキュッと摘むと、ゆめが「あんっ」と跳ねた。