《モブサイ》サギ師のあなたに脱がされて (霊幻/R18)
第3章 アロマオイルに溶かされて
ゆめが怪訝そうに眉をひそめた。
「え? でも前は『タオルを被せると取り憑いた霊の視覚をシャットアウトできるから』ってお客さんに言ってませんでした?」
「っ!!!! あ、ああ、もちろんそうだ! その効果もある! 当たり前だろ! これは除霊なんだから!」
ごまかすようにゆめの目の上にタオルを乗せる。
ふぅ、けっこう俺の言ってること覚えてるじゃねぇか。危ねえ。
「さて、次にアロマオイルだ。いい香りの中でマッサージを受けたほうが気分もいいだろ? 必ずこれを焚く。客には『霊が苦手な香りだ』とか適当にもっともらしいことを言っておけばいい」
「もっともらしいこと?」
「あ!! い、いや、なんでもない! 気にするな! マッサージを始めるぞ!」
俺はお香を焚くと、手にマッサージオイルをつけた。ゆめの華奢な肩を揉み始める。……ん? 固いな。かなり凝ってるじゃねぇか。
「っ……、うっ……」
ぐっと押すたびに声が漏れる。タオルを乗せているから表情はわからない。
「おい、ゆめ。おまえ、かなり固いぞ? 肩こりひどいんじゃねぇか? 冷えもあるだろ?」
「はい、冷え性なので……」
「肩こりは肩だけ揉んでもよくならない。腕の疲れから凝りが来たり、背中の肩甲骨(けんこうこつ)が凝り固まっているのが原因だ。今日はフェイスマッサージはなしだ。肩こりに集中する。ちょっと腕を触るぞ」
バスタオルから出ている腕を上から揉みほぐす。ゆめは気持ちよさそうに息を吐いた。よし、いい反応。
「次は背中だ。うつ伏せになれるか?」
ゆめは頷くと、うつ伏せになった。俺は背中に巻かれたバスタオルを引き下げる。
「きゃあっ!? 何してるんですか!?」
背中を露わにしたゆめが慌てて振り返った。