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《モブサイ》サギ師のあなたに脱がされて (霊幻/R18)

第3章 アロマオイルに溶かされて


《霊幻side》


『肩が重いから霊に取り憑かれたかもしれない』
そう言って相談所を訪れる客は多い。

彼らには二種類ある。本当に霊が憑いている場合とただ思い込んでいるだけの場合だ。

前者はモブやゆめを呼んで除霊させる。問題は後者だ。俺はこのために整体術をかなり勉強した。除霊と称して極上のマッサージを施せば、客は満足して帰っていく。そして、大抵がリピーターとなる。

今日も除霊と偽って、一人の女性客にマッサージをした。詐欺とはいえ技術は完璧、料金設定だってエステよりかなり安いんだ。絶対にまた来るに違いない。今回は霊じゃなかったが、次来るときはデケェ仕事を引き連れてくるかもな。なんにせよ客は一人でも多く取り込んでおくに限る。

「それにしても……」
俺は思わず頬を緩ませた。

ゆめが除霊マッサージごときで嫉妬するとは驚いた。可愛いじゃねぇか。顔には出さないが、彼女の気持ちを考えると胸がきゅんと熱くなる。

「いかん。平常心だ」

自分に言い聞かせて、薄暗い部屋に入る。ゆめはすでにベッドに仰向けになってスタンバイしていた。バスタオルから伸びた足が艶めかしい。キャンドルの光が妖しくゆらゆらと揺れた。思わず喉が鳴る。

「ゆめ、準備できたな。どうせ体験するならマッサージの手順を覚えておけ。俺がいないときに客が来たら役立つだろ」

口に出してから、俺は何を馬鹿なことを言っているんだと苦笑いしてしまう。ゆめは俺と違って本当に霊能力がある。こいつにはこんな技術は必要ないんだった。

しかし、ゆめは神妙な顔をして「はい」と素直に頷いた。

よし、始めるか。

蒸しタオルを取り出す。
「いいか。こういうのはただマッサージするだけじゃなく、客がいかにリラックスできるかが大切だ。まずは蒸気で温めたタオルを顔に被せる。血行がよくなってリラックスできる」


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