《モブサイ》サギ師のあなたに脱がされて (霊幻/R18)
第3章 アロマオイルに溶かされて
「ゆめ、おまえ……もしかして嫉妬してんのか?」
私はビクッと身体を震わせた。図星だ。
「べ、別に……そういうのじゃ……」
「ははーん、俺があのおばさんの肩を揉んだから妬いてんだな?」
「ちっ、違いますっ! 私はっ……!」
霊幻さんは顎に手をやり、考え込んだ。
「悪かったな、ゆめ。おまえの気持ちを考えなくて、俺が浅はかだった。客が来る前にきちんと打ち合わせをしておくべきだったな」
「え……」
そんなビジネスライクに答えられると困っちゃうよ。彼女にヤキモチ妬かれて喜んだりしないの? よしよしって甘えさせてくれるとかないわけ!?
霊幻さんは顔色ひとつ変えずに私を見つめる。
「これからもこういうことはよく起こるぞ? どうする?」
「どうするって……」
マッサージはもうやめてください、なんてとても言えそうにない。霊幻さんのマッサージの腕はかなりのものでリピーターも多いのだ。
「じゃあ、おまえも受けてみるか?」
「はい!?」
私はギョッとして飛び跳ねた。
「部屋の中で何をしているかわからないから不安なんだろ? 実際にマッサ……除霊を受けてみたら安心するんじゃないか?」
「でも、私に霊は憑いていませんよ?」
「んなことは、分かってるよ。だから、今回は特別に除霊抜きのマッサージだ。大学生で勉強もしてるんだから、肩ぐらい凝ったりもするだろ?」
確かに凝ってはいるけど……。
「モブたちが来る前にさっさとやっておいたほうがいいと思うぞ? あいつらが来たときに裸だと恥ずかしくないか? まあ別に俺は構わないが……」
「っ! わかりました。今やります!」
マッサージ中にモブくんたちが来たら変な誤解をされそう。まだ二人には霊幻さんと付き合うことになったのは内緒にしている。モブくんはごまかせたとしてもエクボは鋭いから色々言ってくるに違いない。
「そうか。じゃあ、隣の部屋に行って服脱いでバスタオル巻いとけ。一式、置いてあるから。俺は用意したら行く」
「は、はい……」
まさか本当に霊幻さんにマッサージしてもらうことになるなんて。
ドキドキしながら、私は部屋に入った。