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《モブサイ》サギ師のあなたに脱がされて (霊幻/R18)

第3章 アロマオイルに溶かされて


「ああ、このあいだモブにも言われたよ。マッサージはかなり勉強したからな。あの客は占い師に『霊が肩に乗っている』と言われて悩んでここに来たんだ。ったく、占い師め、言うだけ言って解決もせずに金取りやがって。無責任なやつらだ」

「…………」

「あ、もちろん今回解決したのはマッサージの技術だけじゃない。俺の霊能力あってこその解決だぞ? まあ、無事に終わってよかったよ」

デスクに座り、PCの電源を入れる霊幻さん。

私はぼんやりと彼を見つめた。

霊幻さんの誕生日から二週間。想いを伝え、身体も結ばれ、霊幻さんと晴れて付き合えることになった。付き合い始めと言えば、楽しくて仕方がない時期のはず。なのに、気持ちはどんよりと曇っている。

「はぁ、また心霊写真の依頼かよ。最近多いな……」
メールをチェックする霊幻さん。

「…………」

「ん? ゆめ? 突っ立ってないで座れよ。しばらく客は来ないと思うぞ? なんか食うか?」 
私に気づいて不思議そうに首を傾げた。

「あの……」
私は思い切って口を開いた。

「ん?」

「さっきのエステなんですけど……」

「ああ。だからエステじゃなくて、『除霊』な。どうかしたか?」

「女性、でしたよね……」

「は?」
霊幻さんが目を丸くする。

私は目をそらしながら、言葉を続けた。
「その……霊幻さんは男性で……お客さんは年はかなり上とはいえ女性で……二人きりで……密室で……マッサージを……その……」

霊幻さんの目が大きく開かれていく。驚いた様子で口をぽかんと開けた。

「はあ!? まさかおまえ、俺を疑ってんのか? あのおばさんにセクハラしたとでも!?」

「そうじゃないですけど! でも……!」

霊幻さんはきっちりと仕事をする人だ。相手が女性だからといって、変な考えを起こすような人ではない。よくわかっている。私とだって付き合いはじめなのに仕事中は一切浮ついたそぶりを見せない。彼は仕事に関しては徹底しているのだ。


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