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先生、好きです。【R18】

第8章 大切な人だから


晃side

颯太さんの家に着いた。
飯塚は眠っている。

何も起きてないといいが。

扉の前に立つと鍵は開いていた。
ドアノブに手をかけゆっくりと開ける。

「颯太さん?」

「っ!晃・・・来たのか?」

「心配だったので。」

颯太さんの目の前には伊藤が立っていた。

「海堂先生?どうしたんですか?」

「伊藤、聞いてくれ。」

颯太さんが一筋の汗を流して話し始めた。
能力の事も、俺たちとの事も・・・
どうしてこんな事をしているのかも。
全て話して、伊藤に問いただす。

「教えてくれ。どうしてそこまでして俺と?」

「好きだからに決まってます。それ以外の理由はないです。」

「けどここまですることないだろ?」

颯太さんの息が荒くなってきている?
顔色も悪い。

「もう止めろ。じゃねぇとお前の体も・・・」

「嫌ですよ。というか・・・思い出したんですね。」

「大体はな・・・」

「どうやって?もしかして無理矢理?」

颯太さんの記憶は俺達が戻した。
無理矢理だったが、そうするしか無かった。

「馬鹿なんですか?僕の能力を無理矢理解くなんて・・・そんなことしたら・・・」

急に目の前に立っていた颯太さんが倒れた。
呼吸が乱れてる?

「颯太さん!?」

「颯太先生の身体に負担がかかるんですよ?」

どういう事だよ・・・
何で颯太さんが?

「僕の能力、確かに戦闘向きではないです。けど、その分自分に負担がかからず、相手に全てかかるんです。既に半分以上の記憶を取り戻したのなら、今颯太先生の身体は死に近づいてることになります。」

「そんな・・・お前はそれでもいいのかよ・・・」

「良くないに決まってます。でももう一度僕が能力を使えば記憶がリセットされる。つまり、先生も死なずに済みます。」

また記憶が無くなる?
やっと戻せたのに?
けど、颯太さんは今危険な状況だ。

「退いてください。」

伊藤が颯太さんに手を伸ばす。
俺はどうしたら・・・
颯太さんが助かる方法はこれしか無いのか?

「・・・あきら・・・はぁ・・・ごめんな・・・」

「颯太さ・・・っ!」

屋内だというのに突然強い風が吹き、伊藤の体が浮いた。
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