第22章 決闘
両チームがコートに入ると、研磨はネットを挟んで日向に言った。
研磨「俺、ウチのチームは強いと思うって言ったけど、強いのは俺じゃなくて皆だから」
日向「…?」
研磨の言葉の意味がイマイチ理解出来ない日向。そんなこんなしてるうちに最初のサーブを研磨が打った。威力はないけど角ギリギリの良いコースだ。
それを旭がレシーブし、影山がカバーに入る。その視界の隅には、ネットへ向かって全力疾走する日向の姿を捉えていた。
「翔陽!飛雄!決めろー!」
日向が飛ぶ。影山がトスを上げる。日向の最高打点に合わせた寸分の狂いもない精密なトス!それを日向が全力でフルスイングし、ボールが音駒コートの床に叩き付けられる。
それは一瞬の出来事。音駒チームは何が起こったのか分からないまま1失点となった。
超速効が決まり調子を上げる烏野。再びチャンスボールが巡り、日向がネットへと走る。素早くそれに気付いた音駒のMBが日向を追い掛けるが、影山がトスを上げたのは旭だった。
鵜飼「なぁんか気持ち悪いぃな…」
武田「どうかしましたか?」
鵜飼「様子を窺われてるっていうか、観察されてるっていうか」