第15章 異変
お祝儀をもらい深々と頭を下げれば部屋から出て行き、寺田先生は茶色い大きな封筒から一枚の診断書を取り出せば、眉間にしわを寄せ怖い顔でその紙を見つめる
その紙には以前から発症している慢性気管支肺炎の他に赤字で間質性肺炎の可能性ありと書かれていた
一方、私は昔住んでいた家の近所にある、とある場所に来ていた
「お母さん、お父さん、会いに来たよ〜」
ある場所とは近所にあった小さな墓場だった、大鷲家之墓と書かれた墓石の前に屈めば手を合わせ言葉をかける
「あれ?お花とお水、新しくなってる……それにお線香もまだ新しい……誰だろう」
ついさっき誰かが来たかのようにお墓が綺麗になっていて、さらに新しいお水やお花が供えられていた
?「誰だ?」
ザッザッと砂利道を歩く音が聞こえてくれば後ろから男の人の声が聞こえてくる
「はい?……って!あれ?!クロ?!」
黒尾「お前、か?!」
後ろに立っていたのはクロと呼ばれている昔から付き合いのある黒尾鉄朗であった、クロとは家族ぐるみで仲よかったため、クロもたまにこうやってお墓まいりに来ていたそうだ
黒尾「……半年…振りくらいか?最後にあったの、病院のお見舞いの時くらい、だな……」
「……う、うん…久しぶりだね」
とある試合の後、私は入退院を繰り返していた、最初の頃はクロもお見舞いに来てくれたが、私は訳あってそのお見舞いも拒否した。その後もクロからの連絡には返事をせず、音信不通で宮城に引っ越したのだ
「クロ…あっ、あのねっ」
黒尾「……謝んなよ、、俺もあいつもそんなことで怒ったりしねぇよ、それに…あの頃はそんな余裕なんかなかったろ?」
私が泣きそうになりながらも音信不通になったことを謝ろうとすればクロはいつも通り優しく私の頭を撫でながら謝るなと言ってくれた
「グスッ……クロは相変わらず優しいね……でもそれをもっと他の女の子にしてあげたらクロもモテるのにね……」
クロの優しさに涙目になるも、クロに彼女が出来ないことを少しだけ意地悪ぽく言って