第42章 至高
「んっ………」
影山「起きたか?」
まだ眠たい目をゴシゴシと拭けば隣にいた影山がそれを見て声をかけてくる
「ここ…部屋?」
影山「昨日、途中で寝たお前を黒尾さんがここまで連れてきてくれた、覚えてないのか?」
昨日の夜、黒尾は寝ていた私をあのまま部屋まで直行して布団に寝かせたようだ、そこからぶっ通しで寝ていたみたいで、まだ朝は早くてみんなまだ寝息を立てながら寝ている
「んっ……何か長い夢を見ていた……って、手、飛雄握っててくれたの?」
左手を見れば影山がしっかりと握っていた、昨日寝てる時からずっとらしい
影山「お前が…また泣くんじゃないかって思って……」
「……もう、泣かないよ…」
あの夢、きっとあれで
最後なんだろうと思った
今まで毎日のように見てきた両親の夢
毎晩うなされ涙を流した
でも、昨日のあの夢は
私が一歩前進する夢
もう前に進み出してるんだ
影山「そうか…ならいいんだ、お前が苦しそうなの、もう見たくねぇ」
影山はそう言って私の手を引けばぎゅっと優しく抱きしめた
「うん、もう大丈夫だよ、飛雄……私、また……皆と一緒に……がん…ばる……から……」
影山の温もりと居心地の良さで再び睡魔に襲われる私、話している途中に寝落ちしてしまえば影山も一緒に寝落ちしてしまう