第39章 追憶
「クロ……」
顔を上げ見上げれば少し呆れた顔で私のことを見ていた。黒尾は何があったのか経緯を聞けば、最年少でエースに選ばれたこと、周りからのプレッシャーからくるストレスで両親との言い争いが最近絶えない、という事を説明した
黒尾「なるほどね〜…それじゃあ、行きますかっ」
私の話を聞いた後、黒尾は徐に携帯を取り出しては誰かにメールを送っているように見えた、一旦携帯をしまいその場で立ち上がれば私の手を引いて歩き出す
「えっ…行くって、どこに?!」
黒尾「いいから、着いて来い」
いきなり手を引かれ歩き出した黒尾に驚きどこへ行くかと確認するも、黒尾はニヤリと笑えば何も答えることなくどんどん街の方へと歩いて行く
黒尾「到着」
「え…ここって…」
街の中人混みを避けながら着いた場所、上を見上げれば赤い看板には大きく Game Center と書かれていた
黒尾「昔バレーの練習し終わった後研磨と一緒に来たよな、覚えてっか?バレーする代わりに終わったらゲームセンターに行こうって研磨が言い出してよ…なっつかしーわ〜」
以前はよく時間を見つけては3人で空き地でバレーをしたり、その後にゲームセンターに来て夜まで遊びつくして両親に怒られたりしていたものだ、黒尾と研磨が高校に入ってからはお互い忙しくてあまり3人で遊ぶ時間は無かった
「……そんな気分じゃ」
黒尾「いいから、ほら、行くぞ!もう少しであいつも来るはずだ」
私は乗り気ではなかった、両親と言い争った今の気分は最悪で部屋にこもってふて寝をしたい気分だった。が、黒尾はそんなことは御構い無しに私の手を掴みさらに中へとガンガン入って行く