第39章 追憶
翌々週6月末
「……今日もあっついね…」
ここ東京は蒸し蒸しと夏のような暑さだった、いつも通り駅へと向かう私、黒尾、研磨、一つ違うことは少しだけ私の足取りが重かった
研磨「元気ない……どうしたの?」
観察眼が鋭い研磨は私の表情と話し方を見てか、いつもより少し元気ない私の顔を覗き込む研磨
黒尾「あー、そっか、今日はアレの日だな…」
研磨「アレ…って?」
少し真剣な顔をした黒尾の顔、研磨は私の顔から黒尾へと目線を向ける
黒尾&「「選抜メンバー発表の日」」
研磨「ああ……それね……」
私と黒尾は同じタイミングで言えば私は少し驚いたように黒尾をる
「クロ、覚えてたんだ!」
黒尾「まぁな、お前の初の晴れ舞台を見れるチャンスだからなぁ、俺も緊張してきたわ」
驚く私の顔を見た黒尾は当たり前の様に言い、自分のことの様に緊張している様子で
研磨「まぁ、なら大丈夫だと思うよ……」
研磨の言う事はなにかと当たる、と言うか、あまり物事に興味のない事に意見を言う研磨の発言は少し頼もしくて、私に勇気をくれる
「ありがとう、研磨…」
黒尾「俺も一応応援してるんですけどー?」
少しだけ緊張がほぐれた私の顔を見ては研磨はやんわり笑いかけるも、そのやりとりを見た黒尾は拗ねた様に口を尖らせ私の肩に手をかける
「わっ…うん、知ってる、クロもありがとうね」
肩に手を置かれピクンと肩を揺らし、2人の応援に少し照れながら顔を紅潮させ黒尾にもお礼を言う
黒尾「まぁ、あんま気張んな、はちゃんと強えから」
黒尾は私の頭を優しく撫でれば少しだけ震えている手をぎゅっと握りしめいつもの駅へと入っていく