第39章 追憶
試合は惜しくも3セット目は30-28でユース女子の負け、2-1のセットでフルセット負けにはならなかったが、やはりユース男子の方が実力は上だった
練習終了後、後片付けをした私は1人そそくさと帰ろうとしていた
牛島「大鷲 ……」
名前が呼ばれ振り返ると、牛島が立っていた
「あっ、お疲れ様です」
私は深々と頭を下げて挨拶を交わす
牛島「…この身長であのスピードとバネ……お前はエースなのか?」
「へっ?え、エース!?…とんでもないです!私は最年少だし、この身長だし…私よりもっと上手い人たくさんいますよ!」
牛島「……過度な謙虚は努力と自信の損失に繋がる、根拠のない自信は嫌いだが、お前の実力は確かだ、堂々とすれば良い」
真っ直ぐ私を見る目は、なんの偽りのない牛島の本音だと私は察した
「はいっ!…ありがとうございます、頑張ります」
再び私は深々と頭を下げれば、牛島が去っていく後ろ姿をボーッと見つめる