第39章 追憶
「…(クロ、また身長伸びた?……成長期男子怖っ!)」
私はドアに背を向け目の前に黒尾が立っている状況、身長の低い私は必然的に黒尾を見上げることになる。いつも朝は一緒だが、やはり以前より身長が大きくなった黒尾に感心し、下から見上げる様に見る
黒尾「ん?なんだ…物欲しそうな顔して…朝から誘ってんですかァ?」
「さ、誘う……?」
顔を近づけてきた黒尾はそう言うも、何のことだか分からず私は顔を傾げる
黒尾「だからー、メス顔——んガッ……」
黒尾の言葉を理解していない私に、詳しく説明しようとするもそれを研磨の片手で阻まれる
研磨「クロ……」
話している際中研磨はゲームから手を離し片手で黒尾の口に持っていた棒付きのキャンディを突っ込めば、ジトっとした目で黒尾を見る研磨
「えっと…メス、何?」
研磨「なんでもないよ……クロの言うことは気にしなくていいから……ホラ、次の駅で降りなきゃならないんでしょ」
「あ…そ、そう?…んじゃ、バイバイ!」
学校から1番近い駅に着けば、私は2人に手を振りながら電車から降り、2人は軽く手を振って自分たちの学校の近くの駅まで乗り続ける
黒尾「ったく、過保護の研磨には負けるわ〜」
研磨「別に過保護じゃないし……クロが軽率すぎなんだよ…」
が降りた後、再びゲームの画面に目を移す研磨と先ほど口の中に突っ込まれた飴を口の中でコロコロと転がす黒尾
黒尾「それくらいがあいつにはちょうどいいんだよ、変な男に持ってかれるよりマシだろ?」
研磨「……別に……」
のことで言い争う(?)のは日常茶飯事のことらしい、2人は目的地までぐだぐだとのことで話し合っていた