第38章 満月
「はぁっ…はぁっ……」
どれくらい走っただろうか
気付いたら周りに誰もいなく
薄暗い あまり電灯のない
古びた鳥居が目の前に立っていた
「ここ……神社…?」
古びた鳥居の下をくぐれば階段をゆっくりと登りそこには怖い、というよりも少し神秘的な、でもどこか寂しそうな神社がポツンとあった
木兎さん置いてきちゃった
側から見たら私相当めんどくさい女だ
情緒不安定かって突っ込みたくなるけど
たまにあるんだ
どうにもならないくらい泣きたくなる時
「君も…1人なんだね…」
ポツンと真ん中にある神社を見てボソッと呟く
「痛っ……」
足元を見れば走ってきた際に落としたのか、片方の下駄が無くなっていたことに気付き、更に指から血が出ていた
本殿の横にある1番大きな木にもたれればその場に座り込んでウトウトし始める
なんでだろう
この場所、すごく居心地がいい
ここにたどり着いたのも
必然だったのかな
呼ばれていたのかもしれない
ここにいるよ
私はここだよって
なんてメルヘンチックかな
「……zzz」
お母さん
お父さん
会いたいよ