第38章 満月
「それにしても人多いね〜」
日向「あー喉渇いたー!!」
ベンチに座りながら雑談していれば日向が喉渇いたと騒ぐ
「んじゃー私買ってくるよ、何がいい?」
日向「コーラー!」
他の人の要望も聞いては1人で買いに行こうとする
木兎「あっ!俺もいく!ちょっとまて!」
そそくさと歩く私の後ろから追いかける様についてきて
「ジュース、ジュースっと……」
木兎「あっ、肉巻きおにぎり!フランクフルト!イカ焼きもあるぞ!!」
歩くたび見つけるお店にテンションをあげる木兎
「木兎さん迷子になりますよー、あんまりウロチョロしないでください!」
木兎「なんか赤葦みたいだな!あははは」
「ほら、こうしてたら迷子にならないですよ(…赤葦さんいつもこんな感じに大変なのかなぁ…かわいそうに…)」
ウロチョロあるく木兎に痺れを切らし木兎の手を掴み隣を歩かせる
木兎「…………」
「(木兎さん大人しくなった…笑)……あ、ジュース発見!!」
ジュースを売っている売店を発見すれば飲み物を人数分買い、みんなの元へ戻ろうとする
木兎「なぁ、もうちょっと歩かね?」
戻ろうと歩き出した途端、木兎に手を引かれその場で立ち止まる
「えっ、でもみんな待ってるし…」
木兎「ちょこーっとだけ、なっ?あっちに良いところあんだよ!」
「じゃあ、少しだけですよ〜」
2人は再び歩きだし、私は木兎の行く方へとついて行く
木兎「とーちゃく!ここからの眺めがいいんだよ〜」
そこは少し丘になっている人気のない場所で、確かに木兎の言う通り眺めは良かった
「んー、風が通って気持ちいい〜、人混みは疲れるからなぁ〜、あ、みんなここに呼びません?さっきの人混みベンチよりこっちのが」
木兎「ダーメ、俺と2人きり、いやなの?」
丘の先端、柵に手をかけて前のめりになっている私を木兎は後ろからお腹に手を回しくっつく様に抱きしめれば耳元で囁く
「…木兎さん?///」
木兎「ん〜、落ち着く〜、いい匂い」