第38章 満月
木兎「…………」
大鷲の浴衣姿を見た木兎は一瞬固まる
「……木兎…さん?」
私は固まっている木兎の顔を覗き込む
木兎「かわいい……」
木兎は聞こえるか聞こえないかの声でボソッと呟く
「はい?」
木兎「めっっっちゃくちゃ可愛い!!!思った通りだ、あっはははは!!」
「へっ…//そ、そんなことないです…髪の毛も短くて男の子…みたいだし」
真っ直ぐ目を見て褒められた私は照れ臭そうに頭をカリカリとかくも、髪が短いと少し寂しそうに言う
木兎「は〜?髪の毛だぁ?そんなもんかんけーねー!髪が短ろうが長かろうが、お前はお前だ、そんな悲しい顔すんな」
そう言った木兎は、大きな手で私の頭を優しく撫でる
「………ぼ、木兎さんもその浴衣、素敵ですっ」
私の浴衣のみならず、木兎は自分の浴衣も知り合いに持ってきてもらったらしい、胸元が少し空いて程よい筋肉が顔を出していて普段とは違う少しだけセクシーな木兎だった
木兎「えっ、そ、そう??俺カッコいい!?あっははは、俺って最強〜!!」
褒められた木兎は嬉しそうに両手を上げていつものようにノリノリに反応する
木兎「んじゃ〜、祭り行くか!」
「はい、行きま—————」
「ふ〜ん、なるほど〜、そう言うことかァ」
「全く、油断も隙もあったもんじゃないですね」
私の返事を遮るかの様に、後ろから声が聞こえてくる
木兎「お、お前ら!!」
「ク、クロ!それに赤葦さんと…翔陽と飛雄!?なんでいるの!?」
振り返った先には、黒尾、赤葦、日向と影山が並んでいた
黒尾「いや〜、なーんか練習後から木兎がソワソワし出してさ〜」
赤葦「練習後はだいたいすぐ寝る木兎さんが、今日に限っていつも以上に元気でしたからね」
黒尾「んで、2人で後着いてきてみたらこの通りってわけだ」
木兎「う"っ!!!……お前ら…嫌がらせか!!!?」
2人の言葉に悔しそうにする木兎
影山「俺たちも、そんな感じっす」
日向「、さっきめちゃめちゃ慌ててたから何かなーって思って、特に影山がめちゃめちゃ心配そうにしてたから仕方なく着いてきてやった!」