第38章 満月
目をキラキラさせている木兎とは反面、長らく着ていない浴衣を見つめては少し恥ずかしがり
木兎「た〜の〜む〜 !!なっ、この通ーり!!絶対似合うから!」
そう言った木兎は顔の前で手を合わせればお願いと頼んでくる
「ん〜…わかりました、特別ですよ?」
私たちはお風呂に入った後、校門で待ち合わせにすることにして体育館から出て行った
「ふぅ〜…スッキリした〜」
お風呂に入った後、私は先程木兎に渡された浴衣を持って一階のトイレで着替えようと向かっていた
日向「あれ、どこ行くのー?」
階段を降りようとした途端、後ろから話しかけられ体をビクつかせる
「っ!?…あ、し、翔陽と飛雄かっ!び、びっくりした〜」
影山「どうした?声裏返ってんぞ」
日向「なにー?そのふくろ!」
影山は私の挙動不審に少し疑問を持ち、日向は私の持っている袋を指差してはそう聞く
「へっ!?な、なんでもないよ!!じゃっじゃあ私行くから!!!」
影山「お、おいっ!」
日向「??…変なのー!」
「はぁっ…はぁっ…バレるとこだった…」
2人から一目散に逃げてきた私は1階の女子トイレへと入る
「バレたら面倒臭いことになるし…着いてく!!とか言いかねないからなぁあの2人なら…」
私はブツブツ独り言を言えば浴衣を着ていく
「…………」
着終わった私は、トイレの鏡の前で立ち止まれば、自分の浴衣姿を見つめる
「髪…長かったら、可愛くできるのになぁ…」
短く乱雑に切られた髪の毛をサラッと触る
「っと、もうこんな時間、行かなきゃ!」
一瞬鏡の前でぼーっとしていれば、時間に気づき、誰にも見つからない様にコソコソっとトイレから玄関に向かえば外へと走る
「あ、木兎さん!すいません、お待たせしましたっ!」
校門の前、街灯の下には少しそわそわした木兎が待っていた