第38章 満月
試合は進み、リエーフのスパイクを上げた赤葦、そのせいでトスが赤葦に上げられなくなり、日向がスパイクを打つことになる
木兎「ちびちゃん、ラスト頼んだ!」
日向がスパイクを打とうとした際、黒尾はニヤリと笑う
木兎「お前ら…寄ってたかってひでぇぞ!」
「クロ意地悪しないのー!笑 (これはもう…壁っていうより…傘だよね笑 どこにも打つ場所なんか…)」
その瞬間、日向は思い出す
”「落ち着いていれば戦い方は見えてくる」”
日向の目はリエーフの指先が映っり、スパイクを指に当てた!
木兎赤葦「「(上に向かって打った!?)」」
ボールは相手コートのアウトコースへ
黒尾「今の…狙ったのか?見事なブロックアウトじゃねぇーか!」
日向「たしかにリエーフの先っちょを狙ったけど…」
リエーフ「何!?」
日向「当たったのはまぐれです…そんな俺、正確に打てない」
木兎「190cmのブロック×3枚だぞ!あんなに打ちづらいトス、よく打った!俺、感動した!」
日向「うへへ」
木兎「2mの壁の相手に戦う小さな猛者に俺は!」
それを見つめる私たち
赤葦「また大袈裟な…」
赤葦が呆れたように言う
黒尾「190cmが2mになった…」
「プッ…2メートルって笑」
木兎「俺が!必殺技をさずけよう!」
日向「必殺技!?」
日向の顔がその言葉にぱぁっと目を輝かせた
「あ〜!!つっかれたー!」
今日はいつもより早めに終わった自己練習、私たちは後片付けをし始める
日向「あっち〜、風呂入りてー!」
「ね〜、もう汗でベタベタ!」
木兎「ちょい、、こっちこっち」
入り口付近、人のいない所で木兎は私のことをコソッと呼ぶ
「木兎さん?」
木兎「今日、このあと祭り行くだろ?そん時、コレきてきてよ」
コレ、と手渡された袋の中には浴衣が入っていた
「ゆ、浴衣?ですか!?」
中身を見て驚いた私はどうやって手に入れたのかと問う
木兎「ん?あぁ、知り合いに頼んで持ってきてもらった!」
「はぁ、そうですか…浴衣…ちょっと恥ずかしいなぁ…」