第37章 進歩
「うわぁっ!!びっくりした!!って、蛍!」
月島「ビビりすぎ……第3体育館、行かないの?」
「あーいや、どうしようかなーーって……」
月島の言葉に少しどきっとしながら目線を外してはよそよそしく
月島「はぁ…何?黒尾さんと喧嘩でもしたの?」
「えっ……な、なんで?(蛍、エスパーかよ!)」
月島「…朝から黒尾さんのことあからさまに避けてたじゃん…」
「いや…それはーそのーー」
月島の言葉にさらにモジモジとしていれば、月島は深いため息をして
月島「なんかあったの?……そのずっとしてる咳と何か関係あるとか?」
「!!!」
月島「……君って本当わかりやすいよね…」
びっくりして目を見開いて月島を見ている私をみれば、何があったのか聞いてきた
「いや…別に、なんでもないよ!私やっぱり行かない!部屋、先戻るね……」
月島にはバレないようにと作り笑いをしてその場から立ち去る
月島「…………」
追う事はせず、走り去っていく大鷲の後ろ姿をじっと見つめれば、月島は第3体育館へと向かっていく
夜、夕食後私は少しブラブラしようと校外をうろうろと探検する
「うっわー…外真っ暗…街灯も少ないし……翔陽とか飛雄とか連れて来ればよかった…」
街灯の少ない森然高校、学校の周りを1人トボトボと歩くも異様に暗くてビビりながら歩く
「わっ!!」
そうすると、突然私の頭の真後ろから大声が聞こえる
「ぎゃあああああ!!でたぁあああ!!」
その大声に驚いた私は腰が抜けその場に座り込んでしまう
「あ、ごめんごめん、びびった〜?」
「ひいいっ!!……って、あれ?その声は、木兎さん??」
私の手を引いて立ち上がらせれば街灯のない所ではあまり顔が見えなかったが、月明かりで照らされた木兎の顔がうっすらと見えて
木兎「こんなとこで1人なにやってんの?1人肝試し?」
「あっ、いえ…一人で散歩…です」
木兎「ふーん、んじゃー俺も一緒に散歩する!」
「……(ちょっと、1人で散歩したかったんだけどなぁ…)」