第37章 進歩
「旭さんナイサーッ!」
「(丸一週間の合宿も三日目。もうすぐ折り返し地点。翔陽と飛雄の衝突から約三週間、一緒に練習するようになってもいまだ会話がなく、新しい速攻もうまく行ってない…でも少しずつだけど、皆ミスが減ってきたと思う、セットごとに点差が縮まってきてる…一昨日から元気のなかった蛍はなんだか今日は少しだけ穏やかに見えるから、大丈夫なのかな…)」
朝から少し体調が悪かった私はベンチに座り烏野の試合をボーッと見てはそう思う
「ゲホッゲホッ…」
菅原「(大鷲……?)」
少しだけ苦しそうに咳をする私をみて心配する菅原
音駒との試合、音駒の攻撃でリエーフのスパイクを旭が何とかカバーすると田中がトスをあげ、日向がスパイクを打とうとするが、ネットに近く相手のブロックにボールを押し戻されてしまう
日向「くそぉぉ!!」
いらついたように声を上げる日向
日向「(皆うまくなってる…。月島もさっき一瞬だけ何か違った、俺だけ、まだ何もない!)」
「翔陽が珍しくイラついてる…」
そんな日向の様子を見て、ベンチで控えてる私は心配し、そんな日向を見ていた影山も何か感じたようだった
次の烏野速攻のチャンス、今度こそ成功させる勢いで日向は飛び、影山は日向にトスを上げるとそのボールは日向の手にわずかに当たり、相手コートに入って得点が入り田中と旭が日向のカバーを褒めようとするが
日向「おい!今手抜いたな!」
影山に対して日向は怒る
影山「手を……抜く?俺が?バレーで?」
すぅっと影山の表情が無表情になって日向の胸ぐらをつかみ上げる
影山「もう一回いってみろよ!」
澤村「おい、こら」
澤村が止めようとするが、その前に武田がタイムアウトをとる
「翔陽、ちょっと落ち着いて…」
影山に刃向かう日向の肩を少し強めに抑えるも