第37章 進歩
日向「今の、落ちてくるトスじゃなかった!」
山口「今のそうだった?」
月島「わかんない…。動物的勘じゃないの?」
武田「そうでした?」
武田が不思議そうに鳥養に聞く
鳥養「言われてみればそうかもくらいだと思うぞ?おそらく今のはこれまで落ちていたトスが…少し放物線をえがくようなトスだったんじゃないか?」
「気付かなかった…飛雄、もしかして…」
そう思って、はっと気が付く鳥養
鳥養「(ってことはつまり、影山が日向に…なんとか打たせようとしたってことか?)ここしばらく日向は気持ちよくスパイクを決めていない。それはスパイカーにとって相当なストレスだ。それによって調子を落とす事を無意識に危惧したのかもしれない」
鳥養「(でも日向、気づくのもすごいが、怒るか普通。少なくともミスらなくてすんだんだぞ)」
一方、影山は
影山「(俺は今…無意識に妥協したのか…?)」
かなりショックを受けていた、どんよりと沈んだ様子でコーチの元に行こうとする影山
日向「やめんな、影山!」
そこで日向が叫ぶ
その言葉に影山は及川の言葉を思い出す
”「ちびちゃんが欲しいトスを100%答えているか。
答える努力をしたのか」”
すると、沈んだ顔から決意をした顔に変化した影山は何かを思う
その後の自主練習中
日向「何やってんだ?影山」
日向にそう聞かれる影山は
影山「今日の夜から俺はお前と練習しない」
「ちょ、ちょっと飛雄言い方!!!!」
影山「もちろん試合でも新しい速攻は使わない
日向「なんでだよ!」
影山「お前が言ったんだろ、やめんなって…今のままじゃ、一緒にやっても意味ねぇだろ」
日向「わかった!」
日向はうなづいて研磨のところへと走っていった
「お前とは練習しないって、自己練習するってことね…紛らわしいっての!」
私は影山の肩をパンっと叩く
影山「うっーせよ…それ以外どんな言い方あんだ」
「不器用かっ!」
そんなことを影山に突っ込んだ私は、昨日と同様第3体育館へと向かい黒尾達と合流する