第37章 進歩
話していた木兎が突然、月島に言い出す
月島「月島です」
木兎「月島君さ、バレーボール楽しい?」
月島「いや、特には…」
木兎「それは下手くそだからじゃない?」
(ゲッ!!この人たちど直球すぎない!?色々と!聞いてるこっちのメンタルが……)
木兎「俺は3年で全国にも行ってるし。お前よりうまい!だんぜんうまい!」
ピースサインを出しながら言う木兎
月島「言われなくてもわかってます」
月島は少し不満げにそういう
木兎「でも、バレーが楽しいと思えるようになったのは最近だ」
その言葉に驚く月島と私、木兎はその理由を説明していく
木兎「ストレート打ちが試合で使い物になるようになってから。元々得意だったクロス打ちをガンガンブロックに止められて、くそ悔しくてストレート練習しまくった!」
木兎「んで、次の大会で同じブロック相手に全く触らせず、打ち抜いたんだ。その一本で俺の時代来たー!くらいの気分だったね!」
すぅっと目つきが変わる木兎、ぞくりとするオーラで
木兎「その瞬間が、あるか、ないかだ。将来がどうだとか、次の試合で勝てるかどうかとか!ひとまずどうでもいい目の前の奴をぶっ潰す事と!自分の力が120%発揮された時の快感がすべて!」
私は木兎の一言一言に釘付けになり聞いていた
木兎「まぁそれはあくまで俺の話だし!誰にでだってそれが当てはまるわけじゃねぇだろうよ。お前が言う、たかが部活っていうのも俺は分かんないけど、間違ってないと思う。ただもしその瞬間が来たら——————」
————それがお前がバレーにハマる瞬間だ
月島は少し目を大きく開き木兎の話を聞き入っていた、納得したかはわからないが何か心の中で動いたことには違いないだろう
「木兎さん…そんな経緯があったんだ……すごい努力家なんだ……かっこいい!!」
私は木兎の話を聞き驚く、あまりにもいつもとのギャップがありすぎて素直に褒めてしまう
木兎「えっ!?今、かっこいいって言った?なぁ、俺のこと、かっこいいって言ったよな?!」