第37章 進歩
黒尾「あ?どうした」
私が出入り口でぼーっと外の様子を見ていれば横から黒尾が話しかけてくる
「あっ…ううん、なんでもない…」
私はそう言って再びスパイク練に戻る
木兎「んじゃっ、次スパイクな〜」
「あっ、はい!」
山口達が気になるも、私は再びスパイク練をスタートする
赤葦「おや?」
木兎「おやおや?」
黒尾「おやおやおや」
赤葦達は手を止め入り口の方へと目を向ければ、そこには月島が立っていた
「蛍……?」
少し気難しそうな顔をして居た月島を見て少し不安に思う私
月島「あの、ちょっと質問いいですか?」
木兎&黒尾「「いーよー」」
月島「すみません、ありがとうございます……あの、お二人のチームはそこそこの強豪ですよね」
月島の言葉にピキッとなる黒尾
黒尾「ムッ、まぁね!」
月島「全国の出場はできたとしても、優勝は難しいですよね」
その言葉に木兎がキレる
木兎「不可能じゃねぇだろ!」
赤葦「まぁまぁ、聞きましょうよ。仮定の話でしょう」
(ヒィ〜…蛍の話聞いてるこっちがヒヤヒヤするよ…この2人すぐカチンとくるし…いや、蛍の話し方に問題あるけど…)
月島「僕は純粋に疑問なんですが、どうしてそんなに必死にやるんですか?バレーはたかが部活で将来、履歴書に学生時代部活を頑張りましたって、書けるくらいの価値なんじゃないですか?」
木兎「——————たかが部活って」
一瞬怒ったような声で木兎が言いかけ
木兎「なんか人の名前っぽいな!」
(ぇえ〜………この人大丈夫か…)
黒尾「おー!ただ、のぶかつ君か!って違えーよ!たかが部活だよ!」
「ノリツッコミすんな!」
木兎「グァアアっ!!そうか〜!!!人名になんねぇー!!おしかった!」
凄く冷めた目で2人を見る月島
月島「突っ込んだ方がいいですか?」
赤葦「いいよ。キリがないから」
木兎「あー!メガネくんさ」