第36章 衝突
私は居ても立っても居られなくなり体育館に入れば取っ組み合いをしている2人に駆け寄るも男と女の力の差は一目瞭然、私は2人の取っ組み合いにより飛ばされて転ぶ
田中「お前ら!やめろぉぉ!」
と、そのタイミングで田中さんが止めに入りなんとか2人の取っ組み合いは終わったが、2人はさらにギクシャクするようになってしまい無言のまま器具を片付ける
「……日向、コレ…」
顎と膝を怪我している日向を見ればカバンには合っている絆創膏を日向に渡す
日向「あり…がとう…おれ、今日はもう帰る…」
辛そうな日向の顔、私は見てもいられなかったが、もう外は暗いため谷地を日向に任せ途中まで送らせれば私は家の帰り道が同じ影山と一緒に帰る
「……………」
影山「……………」
2人は何も喋らずゆっくりゆっくり帰り道を歩いていく
影山「大鷲………」
最初に沈黙を破ったのは影山の方だった
「な〜に?」
影山「さっきは…悪かった…突き飛ばして」
取っ組み合いの最中私が仲裁に入ろうとした時突き飛ばされ転んだ時の膝傷を済まなそうな顔で見れば
「別にいいよ、私が止める力なかったのが悪い!」
影山に悪気がないのは分かっていたため怒るはずもなくニコッと笑いながら手を横に振ると影山は私の腕を優しく掴み怪我したところにそっと触れる
影山「怪我、させちまったな……」
「こんなの、かすり傷だよ…(2人の心はもっと、もっと、痛いはず…)」
優しく触る影山の手を離す
「そんな辛い顔…しないでよ…泣きそうだよ?今にも」
影山「なぁ、大鷲…俺が間違ってるのか…?」
「……飛雄も、翔陽も2人とも間違ってはいないと思うよ……ただ、セッターに関してはよく分からないから安易に答えは出せない…かな……でも…」
影山「……でも?」
「でも…翔陽の気持ちも何となくわかるなぁって…”変人速攻”は確かにテンポが一歩でも遅れたら致命的になる攻撃だし、翔陽が今まで見てこなかったトスに集中したら全力が出せなくなることも分かったし…」
影山「……」
影山は私の言葉に何も対抗せず聞く