第35章 遠征
私は赤葦の存在に気づかず悲鳴をあげる
黒尾「っだあ"!!クソ!口が滑っちまった……(よりによって木兎に知られるとか馬鹿か俺!)」
「(馬鹿黒尾、あとでアイス奢らせてやる……)」
木兎「そーか!そーかぁ!!女だったか〜!!でっ、名前は?!」
私の頬を触って居た手を離せば次は両肩をガシッと掴まれる
「(ち、ちかい…顔が近い……)あ、…えっと…大鷲……です……」
ものすごい至近距離で見てくる木兎に目を合わせないように名前を言う
木兎「ふ〜ん、ね、よぉ〜し、決めた!!お前を俺のオンナにする!!!」
赤葦&黒尾&「は???」
赤葦「いや、木兎さん…まだ会って2分もしないですよ?それに性格とか————」
木兎「んなこたぁ関係ねぇ!!顔がどタイプ!!それ以外の理由なんていらねぇ!!」
赤葦「はぁ…木兎さん、その子、困ってますよ…手放してあげたらどうですか…」
黒尾「あー、ダメダメ。こいつはダメ、お前がいつも抱いてる女と一緒にすんな、木兎」
木兎の発言にピクッとなった黒尾は、木兎が掴んでいる手を肩から離せばずさっと自分の元へと引き寄せ立ち上がり、ほら行くぞ、と言い木兎から離れて歩き出す
木兎「んぁあ"?!ダメってなんだよダメって!!黒尾くんの彼女じゃないんだろ———って、ぅおい!!逃げやがった!クソ〜っ」
赤葦「ほら木兎さん、騒ぎすぎたらまた先生たちに怒られますよ、さっ、俺たちも部屋に戻りましょう」
木兎「く〜〜っ、絶対俺の彼女にしてやる!いや、絶対そうなる!なんたって俺は最強だからなぁ!!へいへいへーい!!!」
赤葦「はいはい。行きますよ、木兎さん」
木兎「あかーしたまにはのってきて!!」
そういった木兎と赤葦は部屋へと向かう
黒尾「追いかけては…来ないな……」
「な、なんか、梟谷のエースの人す、すごいね…笑」
さっきの木兎を思い出して苦笑いする
黒尾「ったく、木兎のやつほんと年中欲求不満かよクソっ……1番知られたくないやつに知られちまったからなー、どうすっかなー」
「どうにもできないでしょ〜?今更、諦めも肝心肝心!」
頭をガシガシしながら歩く黒尾、そのあと別れて2人は部屋へと戻った