第35章 遠征
「なっ////ちょっとなんか私が自意識過剰みたいになってるじゃん!バカ!」
黒尾の言葉に慌てれば黒尾の腕をポカポカと弱めに叩く
黒尾「はっ、悪りー悪りー、まぁでもお前は自分の持ってる魅力に気付いてないことは確かだろ」
慌てる私を見てクスッと笑う黒尾は腕を叩いているその手を掴む
「私の……魅力……」
自分では思い当たらず、考え込むように空を見上げる
「あ…夏の大三角!…郊外だから、結構星が綺麗に見える……」
黒尾「まぁ、お前んとこの高校周辺の方がよく見えんだろ」
そう言われた黒尾は、同じくベンチの背中に背をつけ空を見上げる
「あれが、こと座のベガと、その横がはくちょう座のデネブ……あと、1番遠くの離れてる星は……あれ、なんだっけ?」
黒尾「さぁな、俺は星座には詳しくねぇーからなー」
「そっかぁ……なーんか久々に夜空見上げた感じ…」
黒尾「今度、2人で星が綺麗に見えるとこでも—————」
?「あ"っ!!黒尾くんがまた女の子ナンパしてる〜!」
「ん?」
暗闇から声がする方へと私は目線を向ける
黒尾「チッ…(タイミング悪すぎかよ)…って、木兎か…つーかナンパじゃねーし、学校でナンパなんかするかよアホ」
木兎「んな"?!アホっていうな!!……ん??つーか、よーくみたらこいつ、烏野の女男WSじゃね?!えっ、てことは黒尾君もしかしてそっちの趣味もあったの?!?!」
木兎は私の顔をマジマジと見れば烏野の部員だと気付く
「(お、女男??)」
黒尾「ちげぇよ!!俺は女しか抱きませーん」
木兎「ん〜?でも、顔だけ見たらほんっと、女みたいだな!!可愛い系?これが女だだったら速攻狙うけどな!!!いやっはははははっ!!」
そういった木兎は私の顔をマジマジとみれば頬を両手でプニプニと動かす
黒尾「だから、こいつは女だっ—————(ヤベッ」
木兎「なにぃ!?!?今、黒尾こいつのこと女つった?!ねぇ、いま女つったよなぁ!?あかーしー!!」
赤葦「そうですね、たしかにこいつは"女"って聞こえましたけど」
「ヒィッ!?この梟谷のセッターさんいつの間に居たの?!」