第33章 進展
涙が止まらなくその場でうずくまる私を見た影山は何度も何度も誤りそして私を優しく抱きしめる
「うっ……グスッ……んんっ」
泣き止むまで頭を撫で何度もしつこく謝る影山
影山「……本当に、ごめん…大わ……ごめん……ごめん…」
私の名前を愛おしそうに呼ぶ影山、私は首を振りゆっくりと体を起こす
影山「立てるか……?」
立ち上がった影山は近くにあった電気のスイッチを押せば部屋が明るくなり、起き上がった大鷲に駆け寄り顔を覗き込む
「んっ…大丈夫…だから」
目が赤くなった顔を見た影山はティッシュを持って涙まみれの顔を拭く
影山「ごめん……許してもらえないのはわかってる……けど、本当に悪ぃ……」
「ううん……私こそ……ごめんなさい」
いきなり誤り出した私を見た影山はびっくりと目を見開き、その話の続きを聞く
「私が…こんな格好で、男の子の前で寝ちゃったのが悪いからっ…………」
影山「いや、謝んなよ…俺が悪いんだ……」
「それに……飛雄は、私のこと助けてくれたでしょ?」
寝てる時に私は飛雄の夢を見た、1人暗闇で泣いてる私に寄り添いそっと抱きしめてくれた、私は幸せだった、それだけで私は十分だった——————
影山「助……ける?」
「うん……インターハイの後の時も、今も、私が夢うつつ泣いてるの気付いて慰めようとしてくれた…でしょ?」
その言葉に驚く影山
影山「起きてたのか?…」
「ううん……夢でね、私が暗闇の中泣いてるの、でも飛雄が手を握って抱きしめてくれて…私を慰めてくれた…1人じゃないよって言われてる気がして……本当に、嬉しかった…」
そう言った後、泣きじゃくった顔ではもうなく、フワッと優しく笑う大鷲のいつもの笑顔になっていた
影山「そうか……よかった…もう嫌わちまったかと…思った…」
「それに………」
———影山のこと、好きなんでしょ?
月島が以前言っていたことを思い出しては私は顔が真っ赤になる
影山「それに……?」
「あっ、ううん…なんでもないよ」
火照って赤くなった顔に手のひらでパタパタと空気を送る