第33章 進展
————影山side————
クソ……
日向の野郎
帰って来たらぶっ殺す
つーかこの状況どうすればいいんだ?
起こすべきか?
寝かすべきか?
そんなこんないろいろ悩んでいたら、後ろの方から微かな泣き声が聞こえて来た
「グスッ……グズっ……ぉかぁさん……とぅさん……」
泣い……てるのか?
さっきのアルバムのせいか
いつものことなのか分からねーけど
あの合宿の時も泣いてたよな
お前は一人……この家で
毎日泣いてんのか?
誰もいない部屋で
いつも一人で飯食ってるんだよな
なのに、いつもヘラヘラ笑ってやがる
どこからくんだよその原動力
たまには弱音くらい吐いてもいいだろ
「グスッ……グズっ……」
俺は振り向いて流れてくる涙をそっと拭いた
すると寝ぼけてか大鷲はギュッとその手を握りしめてきた
寝てる大鷲を起こさないよう、そっと頭を撫でた
すると苦しそうに泣いていた大鷲の顔は少しだけ緩んだ
「お前、これが好きなのか?」
そうするとゆっくりと起こさないよう
スーッと頭を撫で続けた
まるで、小さな子供を寝付かせるように
すると目線は胸元に行く
…………結構デカいんだな
って、バカか俺は!!
胸元に伸びかけた片方の手をぐっと堪えて再び頭を優しく撫でる
少しだけ緩めに空いてる口元をみて
何かを思い出す
合宿中、隣で寝ていた大鷲にキスしようとしたことだ
思い出したことにより俺の顔は真っ赤になる
と、同時に心臓がばくばくなってくる
…………
気付けば大鷲の唇に俺の唇をそっと重ねていた
何度も何度も角度を変え深く深くキスをする
寝てるやつにこんな事するなって?
分かってるよ、分かってても止まんねーんだよ
今でも思いっきり抱きしめてやりたいが
それじゃあこいつが起きちまう
ぐっすり寝る大鷲のとなりにそっと体を横にさせれば
後ろから優しく抱きしめ自分も眠りに落ちる