第30章 初夏
———————月島side——————
月島「助けてもらったって……もしかして、影山とか?」
「え?!?!なんでわかったの?!月島ってエスパー?!」
君のことならなんとなくわかるよ…
てかなに、その慌てよう
気のせいか、顔も少し赤く見えるし
月島「エスパーって……大鷲が分かりやすいんだよ…」
大鷲は気付いてないみたいだけど
影山と話すときだけちょっと違うのは
僕しか分からないと思う
僕は君が———
———好きだからね
って、宿泊研修の時、告ったんだけど??
まぁ、あの時の大鷲は気絶してたから知らないのは同然だけど
「そっ……そっかぁ、バレちゃってたか〜あはあは//……でも、うんっ!飛尾が…ちょっと、助けてくれた」
はぁ…ムカつく
なんで王様なわけ?
しかも下の名前で呼んでるしね
まあ、前からだけどさ
月島「ふ〜ん、よかったじゃん…」
そう言われた僕はスタスタと歩き出す
「うん…ってあれ?!月島、ちょっと待って!歩くの早い!」
月島「…………………」
「ねぇ、どうしたの?顔怖いよ?」
無言で歩き続ける僕に大鷲は顔を覗き込んで聞いてくる
ああ、ムカつくムカつくムカつく…
余裕ない自分が一番 ムカつく
「なっ…なんかゴメンね?私怒らすこと言っちゃったかな…ゴメン…月島」
泣きそうになる大鷲
はぁ、そんな顔されたら
月島「別に怒ってないけど?」
「え、ほんと??怒ってない??」
君に怒るわけないじゃん…
月島「うん……怒ってないから、その顔ヤメて…」
今にも泣きそうな顔の大鷲、僕はその場で立ち止まり大鷲の頬に手を当てる
「月島?……」
下から見上げる大鷲の顔、なんか見上げるというより
月明かりに照らされた大鷲の顔、上目遣いにみえてなんかエロい
月島「蛍……」
「えっ?」
月島「だから……僕のこと蛍って、下の名前で呼んでよ…」
あーあ、言っちゃった
彼氏でもないのに
困らせたかな?