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[ハイキュー!!] 地上のアルタイル

第29章 進化




そして最後、15対14、相手のマッチポイントの時




セッターから綺麗に上がったトス





私は行ける体制だった、もっと踏ん張れば飛べたはずだった




なのに、私はそのスパイクを綺麗に見送ってしまった





膝が、肺が悲鳴をあげている

完全な状態じゃないままスパイクをすれば

絶対に止められて負ける光景が頭によぎった

さらに、その最期の一瞬

両親の顔が頭に浮かんだ

私のせいで死んだ両親

きっと私を恨んでる

このまま勝って私だけ

幸せになるなって言ってるようで

怖くて 怖くて




その全てが走馬灯のように私の頭の中をよぎった——————




そうしたら、いつのまにか私たちは負けていた



私のせいで……


全部私のせいで…みんなに迷惑かけて


両親を死なせて——————





影山「…………」
涙を流しながら話している私の顔を見ながら影山は私の手をギュッと握りしめてくれた






大会の後、私は入退院を繰り返していた

メンバーともあの時の事で揉めて、エースの座から

世界ユースのメンバーから私は降りた…




それから、ある試合の録画をたまたま家で見つけた

烏野高校の春高での試合

なんでかはわからないけど、毎日死んだように生きていた私に

あの録画されていた試合を見て私は勇気をもらった

多分私もこの身長でエースをやっていたからかな

東京の学校に進学しようと思ってた私だったけど

そのまま逃げるようにこっちに引っ越してきた

ちょうどおばあちゃんも居るしね

そして烏野に入学した

また一からここでバレーをやろうと

あの小さな巨人のように………って

でも、バレーをやりだす事によって

またあの頃の自分を思い出してしまった

そして、こないだの試合で負けてしまって

みんなが悔しがって泣いてる時

私1人だけ試合のことより昔のことを思い出して泣いた

烏野のみんなは一生懸命やっていたのに

私は自分の事しか考えてなくて……

今まで練習一緒にしてきたつもりだったけど

試合に負けて悔しいって思いが周りより低くて

私なんかこんな所に居るべきじゃないって思った

みんなの努力を無駄にしてしまうって

そう思ったらまた怖くなって…

ここから逃げ出したいと思った



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