第28章 魔王
菅原「日向すげぇすげぇ」
菅原が日向の頭を撫でながら、褒める
日向「菅原さんの言うとおりでした!」
—————先ほどの回想—————
菅原「次、向こうのレシーブが奇麗に返ったら、センターのクイックがくる。でも、慌てないでいつもよりほんの少しためて飛びな」
日向「ウンウン」
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菅原のアドバイスを聞いて、ブロックで止めた日向
菅原「だべ!」
菅原「(コートの外から見ていた時は、確かに悔しさがあったけど、中にいるよりずっと冷静にゲームを見れていた気がする。試合に出られなかった時間もちゃんとかてになってる)」
そう思った菅原は服をぎゅっとにぎしめる
(菅原さんの指示…流石としか言いようない…試合に出れなかった時もどう対処するか常に考えてるんだ……)
試合後半、烏野15対青城24のマッチポイント
金田一の攻撃を見事にブロックではじく日向、弾いたボールはラインぎりぎりで落ちる
「アウトかぁ!」
日向がはじいたボールはギリギリでアウト、青城これで第1セット勝ち取る
鵜飼「二セット目は田中と大鷲が交代だ!」
「はいっ!」
影山「菅原さん!」
影山が菅原に声をかける
影山「金田一の、えっと…ラックを…。12番の速攻ってもしかして、タイミングゆっくりなんですかね?」
影山は言いよどみながら、菅原にそう聞く
菅原「そうだと思う!ある程度ボールを見て、見て、それから叩く、みたいな」
菅原の言葉を一言も聞き逃さない様に、うんうんとうなづいている影山
菅原「影山。俺たちなんつうか、同じポジション取り合う敵みたいな図式になってるけど…俺だっていっぱい試合出たい!」
影山「俺もですけど…」
菅原「でも今、コートに入ってみるとさ。相手はでかいし、スパイクはさっそく俺の所狙われるし、正直ビビる。前なら萎縮してた。今は後ろにお前が控えてる。すごく頼もしい。俺が入っている時の得点、お前が入っている時の得点、合わせて烏野の得点だ」
菅原「俺は俺なりのベストの戦いを、お前はお前なりのベストを、それで青城に勝つぞ!」
影山「おっス」