第5章 先輩編
「せ、先輩・・・!?」
「そんなに驚く?」と彼はくくっと笑いをこらえながら私の隣に立つ。
いきなり先輩が現れたのには驚きだったけど、先輩に鼻歌を聴かれたのも、とてつもなく恥ずかしい!!
「・・・先輩はどうしてここに?」
話を逸らすために質問する。
「水を飲むためだよ」
・・・ですよね。 ここ、水道ですもんね。
何てバカな質問をしてしまったんだ!!
キュッと蛇口を回す音が聞こえて、隣を見る。
(ただ水飲んでるだけでも素敵だな)
「ん?顔に何か着いてる?」
「い、いえっ!!」と、思わずパッと目をそらす。
どうやら見とれてしまっていたらしい。