第2章 悪戯エメラルド【A×S×?】
【MASAKI】
翔ちゃんの赤いチェリーのような唇を奪った。
何度も重ねたはずのその赤は、
今日は何だかいつもと違って感じる。
火傷しそうな舌先を突き出され、
夢中でソレを貪った。
直ぐ横で、潤の突き上げを受け止める翔ちゃん…
その姿に、
あり得ないけど、欲情した俺は…
自身を扱くスピードを上げた。
こんなの普通じゃない、けど…
狂ってるなら、
それもありかな??
恋人を穢されて、屈辱に震えるはずの俺は、
なぜか今、
潤に突かれる翔くんの側で、
自身を扱き上げている。
…………あり得ないよ?
あり得ないことだと、分かっているけど…
俺たち3人は、その先の情欲の魅力に捕らわれて、
もう行きつくところまで行かないと、
抜け出せないんだ…
理屈も理性もとうに捨てた。
後は、剥き出しのままの心で
愛し合うだけ…
欲しいものを、手に入れるだけ…
「潤…交代ね?」
翔くんの中で果てた潤は、
俺に言われて慌てて翔くんから出た。
ドロリと、翔くんから潤の欲が流れ出た。
そんな描写も、最早俺を煽るスパイスになる…
「あっ///やだっ…」
堪らず蹲って膝を閉じる翔くんの身体を、
ひっくり返してあお向けた。
俺を見つめる、強請るような眼差しに、
思わず息を飲む。
「そんなやらしい顔して…誘ってんの?
俺以外の男に突っ込まれても、そんなイイ声で鳴くんだね?」
「……だとしたら??」
絡み合う視線と心……
不意に、翔ちゃんが口元を緩めた。
それにつられるように、俺も笑った。
「……イレても、いい??」
「……うん…」
頷きながら、いつもの数倍艶っぽい目で
翔ちゃんが俺を見つめる…
そこはもう、俺と翔ちゃん、
目眩く二人の世界で、
側に固まっている男の存在は、
既に、忘却の彼方に押しやっていた。