第2章 悪戯エメラルド【A×S×?】
【MASAKI】
二人が消えたドアを、じっと見つめたまま、
動けないでいる俺……
両足が、床に縫い付けられてしまったように、
鉛の足枷に囚われたように、
俺はその場から動けない……
…………翔ちゃん…
俺は、どうしたらいい??
俺に何ができる?
バスローブ一枚羽織っただけの彼は、
今頃……
…………やっぱりこのまま帰ろう。
大切な人が、仲間に抱かれるところなんか、
見ていられる訳がな……
「…ひぁ、ぁぁっ…」
一瞬聞こえた、翔ちゃんの艶を帯びた声…
俺の中で、何かが、切れた。
混乱してぐちゃぐちゃの頭ん中は
そのまんまだけど、
俺は吸い寄せられるようにゆっくりと、そのドアに近付き、
震える手でドアをそっと開けた。
思っていたほど暗くない部屋に、
天涯のついた、キングサイズのベッドが鎮座している。
その、真っ白なシーツの上、
下着一枚だけの翔ちゃんが横たわり、
その身体に、松潤が舌を這わしている。
「…翔くん…ここ…甘いよ…」
「あぁ、潤…」
「……翔くん、可愛いよ…」
いつの間に…潤なんて、呼び捨てに…
優しい眼差しで翔ちゃんを見下ろしてから、
松潤は翔ちゃんの桜色の乳首を吸い上げた。
「あっ、はぁっ…気持ちぃ…っ…」
先を強請るような甘い響き…
その腰は、緩やかに揺れている。
感じているときに見せる、
翔ちゃんの肢体に、
ドキドキが止まらない……
恥じらうように頬を染めながら、
それでも松潤の髪に指を絡ませ、
離すまいと引き寄せる……
「………しょう、ちゃん…」
思わず洩れ出た俺の言葉に、
翔ちゃんはゆっくりと俺の方を見た。
絡み合う視線……
いつも側にあるのが当たり前だと思っていた、
黒い大きな瞳が、
欲情の色を宿して揺らめいている。
……翔ちゃん////
その瞬間、あろうことか、
俺の下半身は、
痺れるようにズクンと疼いた。