第2章 悪戯エメラルド【A×S×?】
【SHO】
「相葉くんと同じことを、俺にもさせて?」
松潤に画像を見せられた時から
こんなことになるんじゃないかって
なんとなーくだけど…思ってた。
だから…
自分でも驚くほど
冷静に受け答えしてて。
だってさ…?
途中で…わかっちゃったんだ…
松潤の気持ち。
少し前から俺のことを
見つめ続けてるあの瞳は
嫌悪じゃなくて
好意、だったんだって。
俺を困らせたいわけじゃない。
貶オトシめたいわけでもない。
俺に…触れたいんだよね?
好きなんだよね?…俺のこと…
…だったら。
信じるよ。
くっつくおでこの温もり
潤んで揺れ続ける瞳
約束すると誓う唇
それら全部…信じるよ。
信じて…お前に抱かれる。
それでお前の気持ちが…済むのなら。
そして
嵐のことを…守ってくれるなら。
「…わかった」
「翔ちゃん!!!!!」
でも雅紀は
すんなりと納得するはずもなくて。
俺の腕を引っ張って
グイッと立ち上がらせた。
「なに言ってんのっ!?…本気っ!?」
「…うん、本気…」
「ま、待って待ってっ…ちょ、翔ちゃん…」
信じられないというような瞳で
俺の顔をマジマジと覗き込んできて
「自分が何言ってるか…わかってんのっ?」
肩をグッと掴んで
すごい力で揺さぶる。
「…わかってるよ…よく、わかってるっ…」
「じゃあっ、なんで…そんなこと…っ」
「…他にっ…どんな選択肢があるんだよ…」
「そっ……それ、は……」
肩を掴む指から
力が抜けていく。
「雅紀だって…嵐は…守りたいでしょ?」
「………」
「俺たちのこともっ…守りたいでしょ?」
「…ん、ぅ…」
「俺は…松潤を信じるよ…」
「…翔ちゃん…」
「…ね?…1回だけ、だから…」
「…っ…」
…ギュッて…
雅紀が無言で
俺のことを抱きしめる。
俺はその腕の温もりの中から
松潤のことをジッと見た。