第10章 振りむいてよサファイア【O×S】
【 おまけ 】
monoという雑誌に頼まれ記事を書いて、今日がその発売日だから、翔と一緒に渋谷に来た。
大きな本屋の方が他にも見たい本が見つかりやすいからって…
「こっちです、こっち…えっとぉ〜…あ!あった!ありました!智、早く〜」
翔の声に通路にいたみんなが振り向いた。
俺は苦笑いで軽く会釈して歩いた。
全く…(^_^;)
声、でかいよ…
それに、女の子達が、翔のこと見てヒソヒソしてる。
『…モデルさんかな?』
と言って目で追ってる子もいる。
悪いな(^w^)
そいつ、モデルでも何でもないよ〜♪
俺の恋人♥️
好きになるのは構わないけど〜
残念だけど、彼は俺しか眼中にないから。
他には目もくれないよ(*^ー^)ノ
翔に見惚れる女子の横をすり抜けて、爽やかスマイル振りまくイケメンに近づいた。
↑振りまいている訳じゃない
その時だ。
「櫻井くん、じゃない?」
「松本先生!!」
「やっぱりそうだ!後姿で、そうかな?って思ってたんだ」
「先生、ご無沙汰してます。お元気でしたか?」
「元気じゃないよ~、櫻井くんが辞めちゃってからさ~…俺もだし、翔くんが大事に育てて分蜂してきたあの子たちも泣いてるよ~」
「すみません…気になってはいたんですけど…」
「じゃあ、一度帰っておいでよ~」
「いや、私は、もう…」
「そんなこと言わないで~。後を引き継いだ増田くんも会いたがってるよ」
「増田!懐かしいな~…」
………(。-`ω-)
直ぐにでも割って入りたい!
馴れ馴れしく翔の肩に手なんか掛けやがって!
こんなに話が盛り上がる前にさ!
いつもなら……
だけど……
俺には、親し気な二人に声を掛けられない訳があったんだ