第2章 悪戯エメラルド【A×S×?】
終わって、先に着替え終わった翔ちゃんがスマホを見ている。
「あ…」
「なに?どうしたの?」
「うん…松潤が…」
「松潤??」
何だろう?コンサートの相談かな?
「松潤、何だって?」
「…うん…これ…」
翔ちゃんはそう言ってスマホの画面を俺に向けた。
そこには…
『大事な話があるから、ここに来て。1015号室ね』
そのメッセの下に、
ホテルのホームページかな?
張り付けてあった。
「なんだろうね?」
少し眉を顰める翔ちゃん…
「うん…松潤、ホテルで構成でも練ってるのかな~?」
努めて明るく言ったけど、翔ちゃんの表情は曇ったまま。
実は、翔ちゃんは少し前から、
『松潤の視線が怖いことがある』って、
俺に話していて…
そんなこと感じたことなかったから、
『気のせいじゃない?ほら、あの人考え事とかしてると、顔怖いしさ…』
なんて茶化してみてはいたけど…
俺も少しだけ気になってはいた。
もしかして、
松潤も、翔ちゃんのこと…?
って…
「どうすんの?」
「どうすんのって、行かなきゃ、ダメだよね?」
「う~ん…まあ、断る理由もないか~」
「…うん…」
浮かない顔した翔ちゃんに、俺は、
「一緒に行くよ!」
そう言った。
「でも、俺だけに、LINEで…」
「大丈夫!一緒に仕事してたからついてきちゃった!ってそういうから…
俺だって嵐の一員だよ~?
ダメな理由なんかないでしょ!!」
お道化る俺に、翔ちゃんは少しだけ笑ってくれた。
俺たちは、マネに送ってもらって、
松潤の指定したホテルに向かった。
……ホントに…
翔ちゃんを呼び出して、
大事な話…って…
松潤、何考えてるんだろう?
なんだか分からない不安を打ち消そうと、
窓の外の景色を見つめる翔ちゃんの手を、
そっと握った。
車は、ホテルのエントランスに滑り込んだ。