第10章 振りむいてよサファイア【O×S】
翔くんが手配してくれたというレンタカーは、既に駐車場に来ているようで。
「歩きましょうか?」
そう言う彼と肩を並べて、俺たちはコテージが立ち並ぶ、木立の中の小径をゆっくりと歩いた
「…本当に良かったって…そう思いました」
んっ??
何?なんのことかな??
翔くん、主語と述語っていうものが世の中にはあって…
「大野さんの研究室に来て…」
ああ~…その良かったね(^^;
もう~、何かと思っちゃったよ…
「苔について話す大野さんは、本当に神懸かってます」
「神懸るって、大袈裟だよ…」
照れる俺に翔くんは、
「大野さんは分かってないんですよ…学会の勉強会や報告会のセンターで熱弁を振るうあなたが、どんなに輝いているか…」
翔くん…♡♡
ほめられて、悪い気はしないよね~
照れくささを気付かれない様に、思いっきり鼻の下を伸ばしてみた
↑そっちの方が可笑しな人ですから!
「普段とのギャップっていうんですかね~?
ぼんやりしていて、何も考えていないような感じなのに、あのキレッキレな見解!!」
………(・_・)なんか、ディスられたか?ぼく…?
「あなたの研究に惚れこんであなたの研究室に押しかけて、そして、あなたを好きになって…」
…今さらっと、素敵なWordブッ込んだよね?
「夢みたいです…俺…」
そう言って遠くに視線を流した翔くんの横顔に、
俺は心臓が大きく跳ねた
↑さっきから、とんでもない百面相してるのに、本人全く気付いてない…
「……しょおくん…」
「俺、ずっと大野さんに着いて行きますから!
嫌だって言っても、もう離れませんよ!!覚悟してくださいね」
そう笑った翔くんに、俺はさっき跳ねた心臓が5秒くらい止まったのを感じた